
こんにちは、STスキンクリニック青山の田澤しおりです。
最近はスキンジェットについてご質問いただくことも増えてきました。
「スキンジェットは毛穴にも効果がありますか?」
「肌のハリや小じわにも向いていますか?」
診察の中でこのようなご質問をいただくことがあります。
スキンジェットは、針を使わずジェットの力を利用して薬液を皮膚内へ届ける治療です。
ただし、ここで知っておいていただきたいのは、スキンジェットそのものが毛穴や小じわを改善する薬というわけではないということです。
スキンジェットは、あくまで薬液を肌へ届けるための方法のひとつです。
そのため、どのような変化を目指せるのかは、現在の肌状態や使用する薬液によって変わります。
乾燥が気になる方、毛穴が気になる方、肌のハリ不足が気になる方、赤みやニキビ跡が気になる方。同じスキンジェットでも、お悩みや肌状態によって選択する薬液や施術方法は同じではありません。
だからこそスキンジェットでは「どの機械を使うか」だけではなく、何を入れるのか、そしてその薬液をどのように届けるのかが重要です。
今回はスキンジェットでどのような肌悩みにアプローチできるのか、薬液選びや施術方法がなぜ大切なのかについて美容皮膚科医の立場から解説します。
スキンジェットとは?
スキンジェットは、専用の機器から噴射されるジェットの力を利用して薬液を皮膚内へ届ける、針を使わないニードルフリーの肌治療です。
針を使って薬液を注入する治療とは異なり、ジェットの圧力を利用して薬液を届けることが特徴です。
スキンジェットについて考えるうえで大切なのが、
スキンジェットは「薬液を届ける方法」であり、薬液そのものではない
ということです。
例えば、乾燥が気になる場合と、毛穴やハリ不足が気になる場合では、必要なアプローチは同じとは限りません。
そのため「スキンジェットを受ければ誰でも同じ変化が得られる」というものではなく、現在の肌状態を確認したうえで目的に合った薬液や治療方法を選ぶことが大切です。
スキンジェットの仕組みや特徴については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
関連記事:“針を使わない肌育治療”という新しい選択肢〜スキンジェットとは?
スキンジェットで期待できる効果は使用する薬液によって変わる
スキンジェットでどのような変化を目指せるのかは、使用する薬液によって異なります。
例えば、
- 乾燥やキメの乱れが気になる
- 肌のハリや弾力が低下してきた
- 毛穴が以前より目立つようになった
- 赤みが気になる
- ニキビ跡や肌の凹凸が気になる
- 肌全体の質感を整えたい
など、患者様によってお悩みはさまざまです。
そのため、スキンジェットをひとくくりにして「毛穴に効く」「肌質改善に効く」と考えるのではなく、
「今の肌悩みに対して、どのようなアプローチが必要なのか」
を考えることが重要です。
同じスキンジェットという機器を使用していても、選択する薬液が変われば目指す治療も変わります。
ここからは、肌悩みごとにどのような考え方で治療を検討するのかをご紹介します。
乾燥や小じわが気になる場合
乾燥によって、
「肌がカサつく」
「キメが乱れている」
「細かな小じわが目立つ」
「ファンデーションがきれいにのらない」
と感じる方もいます。
このような場合には、肌のうるおいやキメを整えることを目的とした薬液を選択肢として検討します。
特に乾燥によって目立つ細かな小じわは、シワだけを見るのではなく、肌全体のコンディションを整えることも大切です。
肌の状態を確認しながら、うるおいやなめらかさを保つための治療を考えていきます。
40代以降の毛穴やハリ不足が気になる場合
40代以降になると、
「以前より毛穴が目立つようになった」
「頬の毛穴が縦長になってきた」
「ファンデーションを塗ると毛穴が目立つ」
というご相談が増えてきます。
このような毛穴の目立ちは、毛穴そのものだけが原因とは限りません。
肌のハリや弾力の低下、乾燥、頬のたるみなど複数の要因が関係していることがあります。
そのため毛穴だけを見るのではなく、なぜ今その毛穴が目立っているのかを見極めることが大切です。
肌のハリや弾力の低下が関係している場合には、肌質を整えることを目的とした薬液を選択し、スキンジェットを治療のひとつとして検討することがあります。
一方で、たるみそのものが強く影響している場合には、HIFUやRFなどの引き締め治療が適していることもあります。
つまり、
「毛穴が気になるからスキンジェット」ではなく、毛穴が目立っている原因を確認したうえで治療を選ぶ
ことが重要です。
赤みや肌の不安定さが気になる場合
赤みが出やすい、肌が敏感に傾きやすい、肌のコンディションが安定しないなどのお悩みをお持ちの方もいます。
この場合も「スキンジェットなら何でもよい」というわけではありません。
肌の赤みにはさまざまな原因があるため、まずは肌状態を確認することが必要です。
現在の肌状態や赤みの原因を確認したうえで、その方に合った薬液や治療方法を検討します。
原因によってはスキンジェット以外の治療が適している場合もあります。
ニキビ跡や肌の凹凸が気になる場合
「ニキビ跡」とひとことで言っても、その状態はさまざまです。
例えば、
- 赤み
- 色素沈着
- 肌の凹凸
- 毛穴の目立ち
などがあります。
それぞれ原因や必要な治療が異なるため「ニキビ跡=スキンジェット」と一律に考えることはできません。
まずはどのようなタイプのニキビ跡なのかを確認し、その状態に合わせて治療を選択します。
スキンジェットを治療のひとつとして検討することもありますが、状態によっては他の治療を組み合わせたほうが適している場合もあります。
ここでも大切なのは、スキンジェットを受けること自体を目的にしないことです。
スキンジェットは「何を入れるか」が重要
ここまで読んでいただくと分かるように、スキンジェットは機器だけで治療内容が決まるものではありません。
むしろ大切なのが、
「何を入れるのか」
という薬液選びです。
当院では、リジュラン、プルリアル、ジャルプロ、ジュベルック、マックーム、ボトックスなど複数の薬液を取り扱っています。
それぞれ特徴が異なるため「一番良い薬液」がひとつあるわけではありません。
乾燥が気になるのか、ハリ不足が気になるのか、毛穴や肌の質感を整えたいのか。同じ「肌をきれいにしたい」というご希望でも、現在の肌状態や目指す変化によって必要なアプローチは異なります。
だからこそ私は、スキンジェットの治療では薬液を選択するための診察がとても重要だと考えています。
肌診断と医師の診察から必要な治療を考える
例えば「毛穴が気になる」という患者様でも、毛穴が目立つ原因は一人ひとり異なります。
乾燥が関係しているのか。
肌のハリや弾力の低下が関係しているのか。
頬のたるみが関係しているのか。
肌のキメが乱れているのか。
当院では、患者様ご自身が感じているお悩みを伺いながら、肌診断機による客観的な評価と実際に肌を見た診察を合わせて、
「今のこの肌には何が必要なのか」
を考えます。
そのうえで目的に合った薬液や治療方法を選択します。
スキンジェットという機器が同じでも、選ぶ薬液が変われば目指す治療も変わります。
機器の名前だけで治療を決めるのではなく、現在の肌状態から治療を考えることが大切です。
「何を入れるか」だけでなく「どう届けるか」も大切
もうひとつ大切なのが、スキンジェットを使った施術方法です。
同じ薬液を使用していても、患者様によって肌の状態や皮膚の薄さ、お悩みの強い部位は異なります。
そのため、お顔全体を一律に同じように施術すればよいというものではありません。
例えば、より重点的にアプローチしたい部位では施術方法を調整したり、皮膚が薄く刺激を感じやすい部分では強さを調整したりします。
また、痛みの感じ方や特に気になっている部位なども確認しながら、その方の肌状態に合わせて施術を行います。
こうした細かな調整も、治療を考えるうえでは大切な要素です。
スキンジェットは「どの薬液を使うか」だけではなく、その薬液をその方の肌にどう届けるかまで含めて治療を考える必要があります。
スキンジェットはどんな人に向いている?
スキンジェットは、例えば以下のようなお悩みを持つ方に治療の選択肢として検討することがあります。
- 乾燥や肌のキメの乱れが気になる
- 毛穴や肌の凹凸が気になる
- 肌のハリや弾力の低下が気になる
- 赤みなど肌状態の不安定さが気になる
- 肌全体の質感を整えたい
- お顔立ちを大きく変えるのではなく、肌そのものを整えたい
ただし、すべての方にスキンジェットが適しているわけではありません。
例えば、明らかなたるみが主な原因であればHIFUやRFなどの引き締め治療を検討する場合があります。
表情ジワが主な原因であればボトックス、深い溝やボリュームロスが関係している場合にはヒアルロン酸など、別の治療が適していることもあります。
大切なのは、
「スキンジェットを受けること」ではなく「今の自分の肌には何が必要なのか」を見極めること。
そのうえでスキンジェットが適している場合には、目的に合わせて薬液や施術方法を考えます。
スキンジェットは何回で効果を実感する?
スキンジェットの必要回数や治療間隔は、肌の状態や治療目的、使用する薬液によって異なります。
ほとんどの方は1回の治療後に肌のなめらかさやうるおいなどの変化を感じる方もいますが、感じ方には個人差があります。
また、肌質を継続的に整えていきたい場合には、肌状態を確認しながら複数回の治療を検討することもあります。
「何回受ければ必ず効果が出る」と決められるものではありません。
現在の肌状態と目指したい変化を確認したうえで、一人ひとりに合わせて治療計画を立てることが大切です。
ポテンツァや手打ち注射との違いは?
肌質改善を目的とする治療には、スキンジェット以外にもポテンツァや手打ち注射などさまざまな選択肢があります。
スキンジェットは針を使わずジェットの力で薬液を届けるのに対し、ポテンツァや手打ち注射では薬液の届け方や施術方法が異なります。
それぞれ特徴や痛み、ダウンタイムなども異なるため、どの治療が優れているということではなく、肌状態や治療目的、ご希望に合わせて選ぶことが大切です。
詳しい違いについては、こちらの記事で比較しています。
関連記事:肌育注射は結局どれがいい?スキンジェット・ポテンツァ・手打ち注射の違いを比較
スキンジェットは「何を入れるか」「どう届けるか」が重要
スキンジェットは、ジェットの力を利用して薬液を皮膚内へ届けるための治療方法です。
そのため、
「スキンジェットだからこの効果が得られる」
と単純に考えることはできません。
乾燥、毛穴、ハリ不足、赤み、ニキビ跡など、患者様のお悩みや肌状態によって必要なアプローチは異なります。
そして、その目的に合った薬液を選ぶためには、肌状態を確認したうえで治療を考えることが大切です。
さらに患者様によって皮膚の状態やお悩みの部位、刺激の感じ方も異なるため、薬液をどのように届けるかという施術方法も重要になります。
だからこそ私は、
「スキンジェットという機器を使うこと」だけではなく、
「その方の肌を診て必要な薬液を選び、肌状態に合わせて届けること」
まで含めてスキンジェット治療だと考えています。
当院では肌診断と診察をもとに、患者様のお悩みや肌状態に合わせて薬液を選択し、その方に合った方法で施術を行っています。
「スキンジェットを受けたい」というところから治療を決めるのではなく、
「今の自分の肌には何が必要なのか」
を一緒に考えること。
それが、自分の肌に合った肌質改善やエイジングケアにつながると考えています。
